【ネタバレ注意】君の名は ストーリー考察
前に言った、最近ハマった「君の名は。」の考察を少々…
ちなみに劇場公開翌日に1回見て翌々週にもう一度観ました。(劇場終了直前にもう一、二度ぐらい見るかも)
また、Anothersideもkindleで買って読みました。その上で、今回はストーリーの考察をしたいと思います。駄文でダラダラと書いておりますが、ご容赦願います。
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まず、物語を時系列順に揃えることから始めようかとおもいます。
Anothersideや憶測も含めるので間違ってたら申し訳ないです。
3600〜2400年前?
彗星が落ちてクレーターができ、現在の神社の御神体に。
これを後世に伝えようと壁画が描かれる。
1200年前
また彗星落下。この時湖ができ、神社も破壊され今の位置に。
この時まで、彗星は龍として崇められていた(壁画の影響?)が、この後から糸への信仰へと変わる。
また、この時以来入れ替わりが巫女と口噛み酒に宿る(もっと前からかも?)
200年程前
繭五郎の大火で本殿や資料などが失われる。
20年程前
俊樹(三葉の父)が歴史調査で糸森を訪れる。
二葉に出会い、色々ありながらも結婚。
15年程前
二葉が無くなり俊樹が町長になる。
3年前
三葉が3年後の瀧と入れ替わる。
10/4、彗星落下。糸森は壊滅的な被害を受ける。
現在(2016年)
瀧は3年前の三葉と入れ替わる。
入れ替わりが止まり、糸森を探しに行く過程で彗星落下を知り、口噛み酒で3年前の三葉と入れ替わる。
3年前(別の世界線)
三葉(in 瀧)が奮闘するも、本人でないと俊樹を説得できないことを悟り入れ替わる。
俊樹を三葉と一葉、四葉とともに説得(俊樹は、これが虚言でないと勘付いてきていた)
5年後
「君の名は。」
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概ね、こんな感じでしたね。
様々な場所で、「この物語は主人公たちによって、いとも簡単に人が救われる、薄っぺらいセカイ系だ」との意見があったので、果たしてそうなのか考察してみようと思います。
結論から言うと、ノーです!
ストーリーに薄っぺらさはないですし、厳密にはセカイ系でも無いのです。
↑↑の時系列を見ても明らかですが、糸森の人達(と言うか巫女)は1200年も前から今回の彗星落下のために様々な準備をしてきました。
恐らくですが、今回避難した学校が彗星落下の被害を受けない場所にあった事なども、この力によるところが大きいと考えられます。
その最たる例が二葉です。二葉が亡くなったのは俊樹を町長にするためでした(町長の力で避難させるため)。これは外伝小説の最後で俊樹の胸中の描写からも明らかです。
つまり、今回の町民の救出は1200年を掛けて糸(組紐)を人々が編み、三葉と瀧は最後の役割である「糸を張る」仕事をしただけというのが全体の構造なのです。
つまり、町民500人の救出のために、1200年かけて準備をし、二葉の犠牲もあったことを考えると、偶然でも都合がいいわけでもなく、必然だったと考えられるのです。
この物語は、ある意味運命論的な側面があります。
彗星の落下も町民を救出するのも、三葉と瀧が最後出会うのも全て運命的に決まっていたと見ることができます。
では、作中にあった繭五郎の大火はどうでしょう。
繭五郎の大火は劇中では不幸な事故のように描かれています。
しかし、偶然であるならば今回のように、大火を回避するように見えざる手が働くはずです。
なぜ回避できなかったのか。
ここからは私の憶測に過ぎないので注意ですが、この繭五郎の大火も運命として決定されていたからではないかと考えられます。
どういうことかと言うと、この数百年の間に日本は急速に発展し、政治の中心が神社から地方自治体への以降が進み始まることになりますが、この変化に対応し、全員の避難を完了するために、火事によって神社の影響力を弱め、古文書の消失によって外からの人間(俊樹)を呼び込み町役場の力を強めさせたのではないかと考えられます。
外からの人間を入れて町長にするだけならば他にも犠牲の出ない方法がありそうですが、町長にする人間には古い言い伝えを熟知しており、神社関係者でなければならない(でないと口噛み酒の効果が使えない)ため、俊樹でなければならないのです。
それを考えると、このような方法を取ったのも、少しは理解できます。
これらの要素を考えると、決してストーリーが薄っぺらいとは思えず、この運命論的構成は、主人公達の意思や行動によって世界を変化させるセカイ系とは違う物語であることも頷いてもらえると思います。
他にもいくつかの気になった小ネタを幾つか列挙しとこうかと思います。
・瀧という字は、氵に龍であり宮水と彗星(龍)を表している
・口噛み酒を瀧が飲んだことで、あの世の物を摂取したことによって、あの世にいる三葉と会話できた(千と千尋でも同じような場面があった)
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まとめ
駄文でストーリーの考察をしておいてなんですが、とにかく言いたいのは、この映画の醍醐味はなんと言っても総合力の高さです。
映像、音楽、ストーリー、構成…どれを取っても、映画素人の私には今まで味わったことのない、とても素晴らしい映画だと感じられました。
もしまだ見に行ってない方がいらっしゃれば、是非劇場で見ることをおすすめします!
また、Anothesideも読んでない方は是非読むことをおすすめします。映画で語られてないことが多く保管されています!